TTフレットというギターがあります。これは弦を押さえた時のピッチのズレを、フレットの変形によって補正するものです。
これについて調べたら、「純正律を出すためのギター」と言っていた人がいました。そんなギターがあるのでしょうか。
固定フレットギターで純正律を出すことは不可能
結論からいうと、フレットのあるギターで純正律を出すのは不可能です。
なぜかというと、Cから始まる純正律とAから始まる純正律では矛盾してしまうからです。
なので、Cだけの純正律なら可能です。
フレットレスギターなら純正律の演奏が可能
でもすべてのキーで純正律を奏でることは不可能なはずです。
なぜかというと、
移動式フレットなら純正律が可能!
そのキーに合わせてフレットを動かす、というギターなら純正律が可能です。
参照記事:平均律とクラシックギター 純正律はなぜ使われないのか
フレットを移動させて純正律で演奏↓
このように、キーに合わせてフレットを調整するならギターでも純正律は可能です。
特定のコード専用ギターなら純正律が可能!
また、特定のコード専用のギターなら純正律が可能です。
CコードならCコード用にフレットを打てば純正律での演奏も可能でしょう。
フレットレスギターなら純正
律が可能!
また、究極的には、フレットレスのギターなら純正律で演奏出来ます。
音程は固定していないので、純正律での演奏が可能です。
耳で聞き分けて、純正律の音を出せばいいのです。
もちろん高度な演奏技術が必要です。
そもそも純正律とは?平均律との違いは?
そもそも純正律とはなんなのでしょうか?
そもそも音階は、音に含まれる倍音を元に作られています。
ギターでドの音を鳴らすと、そこにはミの成分やソの成分など、色々含まれています。
ナチュラルハーモニクスですね。ざっくりいうと、これが純正律のミやソです。
そのミやソの音と、フレットを押さえて出るミやソの音は微妙にずれています。
なぜかというと、どこのポジションからドレミファソラシドを弾いても、ちゃんと「ドレミファソラシド」に聞こえるように「ずれ」を平均に割り振っているからです。
これを平均律といいます。
ギターもどこのポジションから弾いても、平均的に音がずれるように平均律にフレットを打ってあります。
ピアノなどもこの平均律で調律されています。