
いかりや長介ってご存知ですよね?
そう、志村けんさんも在籍した、あの伝説のコミックバンド「ドリフターズ」のリーダーで、実はベーシストなんです。
駆け出しのころは米軍の基地などでベースをプレイしていました。
その後コミックバンドの「ザ・ドリフターズ」を結成。
ドリフターズの初期のころはちゃんとベースを弾いていて、ビートルズの前座をつとめたりしていました。
いかりや長介は親指でベースを弾いてました。
いかりや長介さんのベースの弾き方は親指で弦を弾くというもの。
また、たまに勢い余って親指で弦を叩くこともあります。
この親指弾きのスタイルがいかりや長介の弾き方として世間に認知されました。
そのため、 親指でベースを弾くことを「長介弾き」とか「いかりや奏法」と呼ばれていました。
いかりや長介はベースの親指弾きを有名にした?!
親指弾きは外国のプレーヤーではやっている人はいました。
しかし日本の有名人では珍しかったようです。
そのため、「長介弾き」とか「いかりや奏法」と呼ばれていたそうです。
いかりや長介のベース奏法はチョッパーとは若干違う
いかりや長介さんのベースプレイはチョッパー(スラッピング)とは違います。

チョッパー(スラップ、スラッピング)とは
低音弦は親指で叩き、高音弦は人差し指や中指でひっかけて音を出す奏法です。
ラリー・グラハムという人が編み出した奏法、といわれています。
まあ、いかりやさんもビートルズの来日公演の映像を見ると親指で叩いていますね。
そのため、 日本のチョッパーの元祖と呼ばれたりもします。
でも本当はちょっと違います。
いかりやさんは勢い余って親指で弦を叩いているのです。
結果としてチョッパー奏法のような迫力のある音が出ていた可能性はあります。
でも親指でのピッキングをバスドラムに、人差し指でのプル(引っ掛け)をスネアドラムに見立てたチョッパーとは毛色が違います。
あくまでもチョッパー奏法というのはラリー・グラハムが考案したものです。
ラリー・グラハム自身も “サムピング・プリッキング”(Thumping & Plucking≒親指と引っ掛ける奏法)と呼んでいたそうですけどね。
いかりや長介のほうがラリー・グラハムより早くベースを始めている!
ちなみに、いかりや長介さんとラリーグラハムの年齢を見てみると
- いかりや長介さんは1931年11月生まれ
- ラリー・グラハムは1946年8月生まれ
いかりや長介のほうが15歳年上ですね。
デビューもいかりや長介さんのほうが早いです。
なのでベースをはじめた年代はは断然いかりや長介さんのほうが上です。
いかりやさんのデビューはウィキペディアによると 1960年頃のようです。
またラリー・グラハムはウィキペディアによると 1967年頃のようです。
つまり、親指で弦を叩く「いかりや奏法」はラリーグラハムの影響ではない、といえますね。
ただ、チョッパーを今も続く形にしたのはもちろんラリー・グラハム。
いかりや奏法、長介弾きとは違います。
いかりや長介は武道館で初めてベースを披露した人?!
いかりや長介は武道館で初めてベースを披露した人かもしれません。
Twitterでタコさんから教えていただきました。
https://twitter.com/wehavereach/status/1204662752100306945?s=19
ビートルズは、お客さんが入るのが武道館しかなかったそうです。
なので日本武道館でライブをやったのはビートルズが初めてと思われます。
で、その前座はドリフターズと内田裕也のバンドなので、いかりや長介が武道館で初めてベースを披露した人かもしれませんね!!
いかりや長介のベースの弾き方
現代ではいかりや奏法は親指だけではなく、人差し指や中指なども使う、発展形として進化しています。
親指でダウンピッキング(上から下へ向かって弦を弾くこと)で弦を弾き、下の弦(高音弦)に親指を当てて止めます。
また高音弦を人差し指や中指で弾いたりもします。
ちょうどアコースティックギターを爪弾く感じです。
大体、今の指弾きのベーシストは人差し指と中指を使って弦を弾いています。
親指弾きはやり方自体は難しくないのですが、弾きこなすのが大変。
速い8ビートなどは出来ませんので、人差し指を絡めてオクターブ上の音を弾いたり、と工夫も必要です。
また、どうしても速いフレーズを弾くときは一つの弦を親指と人差し指で交互に弾いたりもします。
いかりや長介さんのベースプレイは、あまり画像などがないので、以下のベーシストをご参考ください。
この人はまたすごいですね。親指と人差し指で交互に空ピッキング(音が鳴らない状態でピッキングのノイズだけ出すこと)しています。
いかりや長介さんはここまでではなかったようです。
どちらにしても、結構難しく、制約のある奏法です。
逆にその制約が面白いフレーズを曲に与えたりします。
そこがベーシストとしての個性になります。
しかも最近は親指弾きを見かけませんので
逆に やっていたら目立ちます。
親指弾きは表現力が豊か!
ミュートしながら弾いたりもできるのでいろんな表情を出せます。
一例を挙げると
- ブリッジミュートしながら、ポコポコした音で弾けたりもします。
- また、太い親指をしたの弦に当てるように弾くので、深い音が出ます。
- 親指と人差し指で弾くのでオクターブ奏法が簡単にできます。
という感じです。
ひとつのバリエーションとして持っていると良いですね。
いかりや長介の他に親指弾きをするベーシスト
最近はあんまりやる人がいないのですが
YMOの細野さんや、
スティングなんかはベースを親指で弾いています。
古い人が多いですね。
昔は多かったみたいですね。親指弾き。
ただアップテンポの曲が増えたり、ダンサブルな曲に対応しづらく、廃れたのかな、と思います。
スティングもいい感じで親指弾き、やっています。
上記の曲の親指弾きはテクニック的には大したことはないです。
しかしいい感じでニュアンスをコントロールしている感じが好きです。
スティングはもともとポリスというパンクバンド出身です。
そのパンクバンドでベースを親指弾きしていたのには圧倒されます。
しかも歌いながら。
復活したしたポリスの曲では親指と人差し指で弦飛びピッキングをしたり、親指と人差し指でうまく8ビート風に弾いたり。
工夫次第ではいろいろと対応できる、ということを教えてくれます。
ということでいかりや長介さんのベース奏法はどんなものか、を見てきました。
意外といろいろと使えることが分かっていただけましたか?
バリエーションの一つとして、練習してみてはいかがでしょうか。