今回は「コンテンツの秘密」(川上 量生著)を読み解いてマンネリの時代に生き残るにはどうしたらよいか、考えてみたいと思います。
川上さんはニコニコ動画を運営する「ドワンゴ」の経営者で、2年間スタジオジブリに弟子入りしていました。
そんな中で宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーからコンテンツ制作のことをいろいろ学んだそうです。
川上さんの本は宮崎駿監督のコンテンツ作りのヒントが豊富です。
参考記事:コンテンツの秘密を読んで音楽に活かす記事
今の時代、いろいろな音楽が出尽くした感があり、マンネリしていると思います。
だからなんの曲を聴いても同じに聞こえるし、曲が出てきては消えるサイクルが早いのだと思います。
私が若くないので感性がついて行けないだけかもしれないですけど。
ただ、昔の曲のように長期にわたって残る楽曲は本当に減っています。
マンネリしないで音楽を作っていくにはどのようにしたらよいのでしょうか。
マンネリ脱出!感情の揺れ動きを音楽で表現する
マンネリした音楽を脱出するには感情の揺れ動きを音楽で表現する必要があると思います。
時代が揺れ動いているときにその時代に沿った曲を掛けば受け入れられる、あの曲を聞くとあの時代を思い出す、というのがあります。
ただし今は平和で安定した時代なのであまり時代のにおいはしないかもしれません。
でも個人個人の感情は揺れ動いているはずです。
恋愛に失敗したり、仕事で色々苦労したり。
そういう個人的な感情の揺れ動きの曲を書くのがいいと思います。
歌詞などもあまり説明しすぎず、詳しく書かず、言葉のちからだけで表現する。
あまりストーリー仕立てにしないでフレーズをくっつけていくイメージで作る。
こうすると個人個人で様々に解釈できるのではないでしょうか。
マンネリ脱出!骨組みを考えない曲作り!?
スタジオ・ジブリの宮﨑駿監督はストーリーは最初に考えず、いきなり制作していくそうです。
その出来上がった導入部のアニメをみて、次の展開を考えるそうです。
普通に考えたら、そんなの絶対によいものはできそうにありませんよね?
普通はコンセプトを決めて、それに沿ってアイディアを出していく感じです。
でも宮崎監督はこうすると展開が読めず、マンネリを防げる、新鮮味を出せる、と考えているそうです。
そして実際出来上がった作品のクオリティも高いですよね。
歌詞も曲も、こんなふうに作ってみたらいいのかもしれません。
別の曲のメロディーをくっつけて一つの曲に!
そういえばジョン・レノンも別々に作ったメロディをくっつけて曲を作ったりしたそうです。
たしかにジョンの曲ってちょっと強引な進行があったりしますよね。
また大江千里さんは「かっこ悪い振られ方」という曲で「3つの別々の曲のサビを合体させて作った」といっています。
骨組みを考えず、とりあえず作っていく。そして行き当たりばったりで作っていく。
こうしていくとマンネリを防ぎつつ、新鮮な音楽が作れるのではないでしょうか。
宮崎駿監督もストーリーで勝負せずにクオリティの高いシーンやパーツをどんどんくっつけていくそうです。
映画のストーリー、筋書きのよさよりも表現で勝負、シーンで勝負するので良いシーンにならなければストーリーごと変更してしまうそうです。
ストーリー =< シーン と、ストーリーよりもシーンで勝負する、パーツの出来で勝負するのが面白いですね。
だからこそ、ストーリーはわかっているのにテレビでトトロやその他のジブリの作品を放送すると未だに高視聴率がとれるのだそうです。
トトロのあのシーンが好き、あのくだりが見たい、などストーリー以外の部分に惹かれている人も多いのではないでしょうか。
プロデューサーの鈴木さんは「トトロがヒットした本当の理由はトトロのお腹がフワフワして気持ちよさそうだからに決まってるんだ」といっていたそうです。
いかにジブリがストーリーよりシーンにこだわっているかがわかる発言です。
楽曲にあてはめるなら詩のストーリー、曲の良さそのものよりも演奏の表現、歌の表現に重きをおく、ということでしょう。
その表現を活かすためなら曲も変更する、こんなのが宮崎流でしょう。
具体的には
- 楽器の音色にとことんこだわる
- クセのある歌声を活かす
- ちょっと変な展開
色々アイディアが思い浮かびます。
マンネリ脱出の音楽制作!新鮮な曲を作るには?まとめ
結局新鮮な音楽を作るには
- 感情の揺れ動きを曲に活かす
- 骨組みを考えない曲作りをすると展開がわからず、マンネリしない
- 部分にこだわる
- 別の曲のメロディーをくっつける
以上のような作業をしてみてください。
きっと今までの曲作りからちょっと違った音楽が生まれると思います。
音楽のことだけを考えているとどうしても視野が狭くなってしまいます。
手塚治虫さんもお弟子さんである赤塚不二夫さんや藤子不二雄さんたちに「漫画ばかり書いていないで良い映画を見て、良い音楽を聞きなさい」といっていたそうです。
マンネリになった時、他のジャンルのエンターテイメントに学ぶとなにかのヒントがあるのではないでしょうか。
ドワンゴの経営者であり、スタジオジブリに2年間弟子入りしていた川上さんの本は音楽を作る人にもヒントが多く、本当におすすめです。