普通、ベースを指で弾くときに、2本の指(人差し指と中指)でピッキングします。
親指で弾く人もいますけどね。
その時、薬指を足して3本でピッキングしましょうというのがここでいう「3フィンガー(スリーフィンガー)ピッキング」です。
(ここではギターをアルペジオで弾く、またはベースの親指弾きのときの3フィンガーピッキングとは区別しています。)
映像を見てもらったほうが早いかな?
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※3フィンガーピッキングの使い手、ビリー・シーンのベースソロ映像
3フィンガー(スリーフィンガー)で超高速のピッキングを繰り広げていますね。
3フィンガー(スリーフィンガー)は速弾き向き!
ギターの高速オルタネイトピッキング(ダウン・アップを高速で繰り返す)では、ダウンからアップへ折り返すので、どうしても速さに限界があります。
しかし指を何本か並べて振りぬく「フィンガーピッキング」はその指の間隔をずらすだけなので、理論上はどこまでも速くできるはずです。
だからピッキングに使える指が多ければ多いほど高速なピッキングが可能になります。
ここにレイキングを組み合わせたら、とても速いフレーズが出来ます。
[char no=”2″ char=”ともみ”]レイキングとは、高音弦を弾いた後に、その弾いた指ですぐ下の低音弦を弾くことです。速いフレーズが弾けますよ![/char]
私の感覚では、ビリー・シーンの高速ピッキングの速さは、MR.BIGの相方のギタリスト、ポール・ギルバートのフルピッキングより速いと感じます。
そんな3フィンガーピッキング。
やっている人はほとんどいません。
2フィンガー(人差し指と中指でピッキング)ピッキングはいろんな人がやっています。
でもスリーフィンガーピッキング(人差し指・中指・薬指を使う)となるとやっている人は極端に少なくなります。
極端というか、ビリーしか知らない・・・・
というのも3本の指で4ビートをつくというのはとても難しいのです。
どうしても3連みたいな音になってしまうんです。
この3連に聞こえる原因として
- 薬指の力不足
- 人差し指から薬指までの間隔が空きすぎているので、音ムラになりやすい
- 薬指から人差し指へ行くときに若干の間隔が空いてしまう
ことが挙げられます。
ビリー・シーンは色々と工夫して、これらの問題を克服しています。
3フィンガーピッキングの練習方法
それでは3フィンガーピッキングをマスターするために、どのような練習をすればよいでしょうか。
3フィンガーピッキングは基本的には薬指→中指→人差し指→薬指…の順番でピッキングします。
そうすると、前述した「3連符に聞こえる問題」が出てくるんですね。
そのため、 「3連符に聞こえる問題」を解決するのが3フィンガーピッキング攻略のカギとなります。
1.薬指の力不足を補う
薬指は人差し指ほど器用ではないし、中指ほど力がない。
つまり、他の2本の指からみると劣っている、とも言えます。
そのため、薬指を鍛えることが3フィンガーピッキングの課題とも言えます。
そのためには、まずは薬指に筋肉をつける必要がありますね。
薬指に筋肉をつける方法は以下のようなものです。
- 薬指だけで8ビートを弾ききる。
- 動かないものを押して筋力アップ
順番に見ていきましょう。
薬指だけで8ビートを弾き切る
薬指だけで8ビートの曲を弾いてみましょう。
やっぱりつらいですね。
でもこれに慣れる必要があります。
僕も以前、この練習をやって薬指や中指を鍛えました。
最初は指がつりそうになります。
でもやっているとそのうちに弾けるようになります。
動かないものを押して筋力アップ!
あと、どこでもできる筋力トレーニングとしては 「動かないものを押す」という方法があります。
これは自分の太ももなどに指をあてて押すようにして、力を入れるだけの簡単なものです。
- 指をももなどに押し当てて、ピッキング方向にギュッと力を入れます。
- 同じように反対に指を開く方向(デコピンの要領)にも同じトレーニングをする
ピッキングをするわけですから、指を握る方向の筋肉を鍛えるのは当たり前ですね。
でもピッキングした指はもとの位置に戻すわけですよね。
そこで 指を開く方向へのトレーニングも必要となるわけです。
これ、実際やってみると、結構効果的なので試してみてくださいね。
2.薬指から人差し指までの間隔が空きすぎているので、音ムラになりやすい
これ、結構課題なんですよね。
ヘタすると2本の指でもフロント寄りの人差し指と、ブリッジ寄りの中指でトーンが変わったりします。
そのくらいの間隔でもピッキングポイントが変わり、音が違ってしまうんですね。
ビリーはこれに関しては 「3本の指で同じポイントをピッキングする」といっています。
つまり、 薬指がピッキングしたところを中指でピッキングし、中指でピッキングしたところを人差し指でピッキングする、ということです。
それが出来たら、とっくにやっているよ!と思わずツッコミを入れちゃいました。
だってそうでしょう?
速く弾くには「速く弾けばいい」といっているようなものです。
まあでも、そこを目指して特訓しろ、ということなんでしょうね。
うーん、頑張ります。
3.人差し指から薬指へ行くときにタイムラグが生じる→普段から人差し指と薬指の2本指ピッキングにする
人差し指から薬指へ行くときにタイムラグが生じます。
「タララン、タララン、タララン、」という音になってしまうんですね。
これを克服するには 人差し指と薬指でのピッキングをすることがいいです。
つまり、8ビートを弾くときは上記の2本の指で弾く、ということです。
普段はこの2本で弾いていて、速いフレーズの時だけ3フィンガーピッキングが登場します。
こうしていると人差し指と薬指のコンビネーションが取れてきます。
結果として指一本づつで強弱を弾き分けることができるようになるそうです。
指の長さをそろえる
ビリーによると、人差し指、中指、薬指の3本の指を机の上に立てて、指をそろえるといい、そうです。
つまりピッキング時に指が同じ長さで弦を弾くようにするのですね。
※画像をご覧ください。
これは「意識して長さをそろえて弾く」しかありません。
意識しないでもよくなるまで、意識して長さをそろえましょう。
最後に
ビリーは「まず、一番目にくるのは情熱と表現したい音楽なんだ。情熱を表現するのに3フィンガーが必要なら、やればいい。大事なのは表現したい音楽!」と強調しています。
あれだけのテクニシャンなのに音楽が一番大事だといっています。
これは本当によいアドバイスだと思いますよ。
参考にしてみてくださいね。
3フィンガーピッキングをマスターしたいならとにかく練習あるのみ!です。
僕はというと、2フィンガーやピック弾きの雰囲気が好きでしたので、3フィンガーはやらなくなりました。
でも最近また3フィンガーの練習を始めました。
始めてすぐに思ったのは「3フィンガーはピッキングに余裕ができる!」ということでした。
ピック弾きだと簡単なフレーズも2フィンガーピッキングだと弾きこなすことができませんでした。
しかし3フィンガーピッキングは3本あるので、指に余裕ができるんです。
これ、フィンガリングのほうもよくなった気がします。
2フィンガーの縛りから解放され、自由にフィンガリングできるようになりました。
まだまだ音ムラは解消されませんけどね。
頑張ります!