イエローモンキーってご存知ですよね?十数年前に解散して、近年復活した、四人組のあのバンドです。
僕も大好きなバンドです。
初期の頃からファンでした。
後期は逆に世間受けしすぎたためか僕は少し距離を置いていました。
しかし最近また復活して、素敵な音楽を届けてくれることに嬉しく思っています。
またライブ行きたいなー。
あの、ベースが主張している感じが好きです。
そんあイエローモンキーのベーシストが広瀬洋一さん。通称ヒーセさんです。
そんなヒーセさんのベースのセッティングを見ていきます。
ヒーセさんのセッティングはミドルレンジが肝!
ヒーセさんと言えばミドルレンジです。
自分でも俺のセッティングはミドルが肝!と言っています。
初期のころはミドルハイをブースト!
最近は違いますが、以前はローを下げていました。
初期のころの雑誌のインタビューでは「まずローを下げる。ローを下げると逆に低音が出る」と言っていました。
ローを下げて低音が出る、ということは理論的にはないと思います。
もちろんヒーセさんが言いたかったのは「ローを下げることによって輪郭がはっきりして、結果、ベースの音が前に出る」ということだと思います。
そして初期のころはミドルハイをブーストしたセッティングでした。
なので初期のころは
- ハイはフラット(プラスマイナス ゼロの状態)
- ミドルハイはブースト
- ミドルローもブースト
- ローは下げる
というセッティングだと想像されます。
そしてナチュラルに歪んだサウンドが初期の定番でした。
アルバムでいうと「The Night Snails And Plastic Boogie(夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー)」や「EXPERIENCE MOVIE(未公開のエクスピリエンスムービー)」のころです。
ぜひ、音源を聴いてみてください。
すごくかっこいい曲ばかりです。
個人的には未公開のエクスピリエンスムービーが大好きです。
中期のセッティング
中期に入るとだんだんとミドルローが出てくるようになりました。
ミドルハイが若干下がり、ミドルローがブーストされています。
おそらくのセッティングですが、
- ハイはフラット
- ミドルハイは+1くらい
- ミドルローは+3くらい
- ローは-2くらい
※あくまでも個人の見解です。
こんな感じでミドルローが出てきました。
このころのインタビューで「腰に来るサウンドにしたい」と言っていたと思います。
このアルバムも珠玉の曲が満載です。
ヒーセのベースが「薔薇娼婦麗奈」という曲ではヒーセのベースがフューチャーされています。
解散前・後期のセッティング
アルバム「smile」の頃からバンドはより楽曲中心の演奏となりました。
このころからは歌を重視して、ミドルを控えめ、ローを出すようなセッティングです。
そのため、ヒーセの持ち味である、輪郭のあるベースが薄れてきたように思います。
このころ、バンドは武道館での初公演が決まりました。
そんなこんなでちょっと大衆向けな感じのセッティングになってきました。
歌や楽曲を生かすようなアレンジや音のセッティングになっていきました。
- ハイはフラット
- ミドルハイは-1
- ミドルローはフラット
- ローは+2
※あくまでも個人の見解です。
僕はこれがどうも好きじゃなかった。
いわゆる歌ものバンドになってきたんですね。
せっかくバンドとしてそれぞれのパートのキャラが立っていたのに、ボーカルの吉井さん中心のバンドという感じになってしまいました。
ベースは低音域中心のセッティングになりました。
以前はミドルを上げてアンプを歪ませてブリブリ弾くいていました。
ドライビングベースと言う感じで、目立っていました。
昔の歌謡曲でボーカルと同じぐらい音量が出ていた頃のような弾き方でした。
それが歌もののバンドになった、と感じたのですね。
ヒーセ使用ベースとアンプ
ヒースの使うベースの特徴として変形ベースがあげられます。
ライブではファイアーバードやサンダーバードという変形ベースを好んでいます。(レコーディングではジャズベースやミュージックマン・スティングレイを使ったりします。)
変形ベースなので、特に良い音はしません。
しかもハムバッカーというパワーのあるピックアップを搭載しているので、パワーが出すぎるぐらいです。
アンプはアンペグを使用しています。
そして ちょっと強く弾くと歪んでしまうようなセッティングにしているようですね。
そのためローをあげると音が回ってしまってバンドサウンドを潰しかねない。
ならは、ローをカットしてミドルを出す、という作戦だったのかもしれません。
3点ブリッジを使う
そしてこだわっているのが3点式のブリッジ。
3点式のブリッジは それほど良い音が出るとは思えません。
どうしてもボディとの接地面積が狭いので、音の伝達が良くないのです。
しかもそれは本人が認めていたところです。
しかしヒーセさんは過去のインタビューで3点式ブリッジに関して「音は何とかしちゃう。 見た目が大事」というようなことを言っていました。
彼は弾き方で音をコントロールできる人なんですね。
ズビズビ音が好き
またあるインタビューでは「ズビズビする音が好き」というようなことも言っています。
ズビズビする音ってなかなか言葉では表現できないのですが 歪んでいて それで言ってビンビン響いてくる音、ニュアンスが出やすい音、とでもいいましょうか。
悪く言うと耳障りの音とでも言うのでしょうか。
ちょっと言葉では表現できないです。
大抵のベーシストが言う、「芯があって低音が出て太い音」という誰もが語る理想の音 とは少し違うような気がします。
ヒーセのサウンドは手(弾き方)から生まれる!
ヒーセは昔メタル系のバンドにいたそうです。
なので結構ダウンピッキングも得意だと思うのです。
あるインタビューでは「 ダウンアップを 組み合わせて弾くようなフレーズもダウンのみで弾く時がある」と言っていました。そしてそれは「サウンド的な面ももちろんそうだけどスピリットの問題もある」ということでした。
ダウンのみで弾くと転がるようなノリは出ないのですが、均一で直線的な音が出ます。
それにパワーが出るので歪みやすくなります。
スピリットの問題だとも言っていますね。
これも何て言うか気合いが大事と言うか、なんか体育会系の気分を感じます。
ヒーセさんの最近(2018年前後)のセッティングは?
ヒーセさんの最近のセッティングはローもミドルローも上げる、という感じです。
セッティングのやり方としては
- まずすべてフラットにします。
- 迫力が足りない時はローを上げてみます。
- 音の輪郭を付けるのにミドルを上げます。
- よく使うポジションで弾いてみて、調整します。
こんな感じです。
これを見ると
- ハイ+1
- ミドルローは+3
- ローは+2
とこんな感じです。
かっこいいですね!!
ニューアルバムもベースがほんとかっこいいです!!
今、ミドルを上げてローを下げたら逆に目立つ!
さてこういうベースを 許してくれるバンドは今の世の中にいるのでしょうか?
今はわりとお行儀よくみんなのサウンドが収っていてみんなの音域を妨げないようなセッティングをしているような気がします。
僕も普通はそういうセッティングをおすすめしています。
たまにはやっぱりこういうやんちゃなベースがいてもいいんじゃないかなとも思います。
あまりやってる人がいないということは、 やったら目立つ。
チャンスかもしれませんね。