一時期、ベースはルートを刻んでいるだけ、という時代がありました。BOOY(氷室京介、布袋寅泰かいたバンド)辺りから始まったビートロック系は、ルートを刻んでバンドのボトムを支える、というベースのイメージを作りました。でも、それだとちょっと寂しいと思います。

ベースはルートを刻んでいれば良いというわけではありません。もちろん曲によってはルート弾きでバンドを支えることもあると思います。また、低音をどっしりと支えて、その上で他の楽器が暴れるというバンドの考えもあると思います。

ベースのリズムは伝わりづらい!

でもベースの音って、お客さんには聴こえづらいんです。楽器をやっていない人に「このバンドのベースの音って聴こえる?」と聞くと、大抵「わからない」と言われます。ベースが16分音符で刻んだとして、そのリズムがお客さんに果たして聞こえるでしょうか?

ベースの刻みってギターの音や、ドラムのハイハット等に消されてほとんどお客さんにも聞こえないと思います。だったらベースがルートを刻む必要があるでしょうか?僕はあんまりないと思います。ドンシャリにしてお客さんに聞こえるようなセッティングにするという方法はあると思います。だけどそれじゃ寂しいです。ほとんど聞こえていないのにズクズク刻んでも手が疲れるだけです。それだったら音程に動きを出した方がお客さんに聞こえると思うんです。

音程変化がない場合とある場合の比較

ただルートを刻だだけのベースラインと、同じリズムでも音程を変化させながらリズムを出したパターン。同じリズムでも、音程が変化しているほうがリズムが聞こえやすいですよね?

つまりベースは、動かないとお客さんにリズムが聞こえづらいんです。音程変化がないとお客さんにベースのリズム、ノリというのは届かないんですね。だから僕はベースは動いた(音程を変化させた)方がいいと思っています。

動くベースのアイデア

それでは刻みながら動くにはどのように弾いたら良いでしょうか?まずはその音の3度、5度、オクターブ上の音を利用していきましょう。何も難しいフィンガリングをやる必要はありません。とりあえずはオクターブ上と5度の音を絡めてリズムを作っていけばいいと思います。そしてその他にアレンジを加えたい場合は スケールの中から7度の音や6度の音 などを足していけばいいと思います。

動くベースの注意点

動くベースの良さは分かっていただけたと思います。1つ注意点として、リズムはしっかりキープする、ということです。やはりなんだかんだ言ってもベースはリズムが大事です。リズムが狂うようなら動くベースなんてやる必要はありません。しっかりとリズムトレーニングをしながら動いてみてくださいね。メトロノームは必須ですね。